ドラマ『東野圭吾「分身」』視聴。
作品名にも「東野圭吾」と入っているとおり、原作ありきの作品のようですね。
2012年の作品とのことでどうしてアマゾンにオススメされたのかわからなかったのですが、しばらくして分かりました。
主人公の少女時代の役が上白石萌歌、主人公と仲の良かった級友が臼田あさ美、そして原作者が東野圭吾、ということで、最近自分が見た『KAPPEI』『ムーンライト・シャドウ』『パラレルワールド・ラブストーリー』に引っかかって抽出されたものでしょう。
こういう引き出し方もあるのね、と感心。
いや、アマゾンからしたら当然の抽出なのかもしれませんが。
とまあ、そういう経緯での視聴なので、もちろん原作は未読です。
でも、途中で筋としては読めてしまいますね。
クローンで複製された女性二人が出生の秘密を求めて動く物語です。
だからといって楽しめなかったわけではありません。
10年程前の作品ですが、佐野史郎、モロ師岡やダンカンの油の乗り切っている感が懐かしい感じもあります。
一方、山中崇さんがサイコ気質のありそうな医療研究者の役なのですが、当時30代前半でしょうか。
単なるグロい人っぽい感じなんですよね。
この方、40代に入って存在感が増してきたパターンですね。
グロさに色っぽさみたいなものが混じってきてちょうどよくなってきているような。
昨年の大河でもネットでは「平賀のキモ雅」とか呼ばれてましたよね。
まあ、キモいのは前提ですが、愛されキャラになっているという…。
『ハイポジ』でのバブル時代の不動産屋然とした演技もキモくて魅力的でしたし、いつあたりからこうなったのか追ってみたい気も。
話がズレました。
「分身」の話でした。
単なるクローン研究の話に奥行きを持たせているのは、政治家の世襲欲を交えた陰謀を絡めているからですが、なんとなく現実味はありません。
かつてイラクのフセイン大統領も自らのクローンを欲していたとかいう話がありましたけれども、それくらい現実感から遠いです。
現実には世襲を旨とする政治家の家系では、別にクローンでなくてもお妾さんに産ませるくらいのことで対処しているからでしょうね。
そして、どこかのタイミングで養子に入れる、と。
無理して自分のクローンを作るなどということをする必要はないのです。
でも、そう考えるとお子さんが見えないだけでなく、その手の話のまったく出てこなかった安倍さんというのはそういう意味でも稀有な人だったのだな、と。
あまりにもハニトラに引っかからないので、そっち系なのかと疑った中国が美少年を用意するようになったというのが笑い話になるくらいに。
で、男の側はそういう対処の仕方で世襲を繋げられる一方、女性の場合は大変です。
世襲を考えるなら野田聖子のように体外受精でもなんでもして、実際に産んで見せないと有権者は納得しないということなのでしょう。
そう考えると本作の場合、自らのクローンを求めた政治家というのが女性であっても良かったのかなという気がしますね。
小池百合子をモデルにしたりなんかして。
そのほうがより今日的でしょうか。
あとは、2012年の作品ということで登場人物たちが持っているのがガラケーだったりスマホだったりで時代としてまだ混在しているのが面白いですね。
スマホはまだ少し上流階級の持ち物、という感じの扱いです。
東京で暮らす母子家庭のほうの長澤まさみはガラケー、札幌で暮らす医師の娘のほうの長澤まさみはスマホです。
それから前者の長澤が母親に音楽でがっぽり稼いで恩返しする、と言っているあたり、まだ音楽で一山当てるみたいな世界観があったのか、なんて驚きも。
いや、でもそれは当時でも既にあり得ない感覚か。
彼女たちの音楽がロックバンドという時点でまあ、それはそうなのですが。
クローン技術の勉強にもなった一本。
コメント
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