Amazonプライム・ビデオで映画『パラレルワールド・ラブストーリー』視聴。
別の世界線を行き来する生粋のSF作品かと思いきや、記憶の改変を不十分に施された主人公のお話でした。
夢の中では改変前の記憶が混じってきてしまうので、次第に改変後の記憶で暮らす昼の生活と齟齬をきたしてしまいます。
改変する契機が、自分が人を殺してしまったとか、身内が犯罪に巻き込まれたとか、そういう深刻な話ではないのが救いです。
昔、キムタクと中山美穂が主演だった『眠れる森』というドラマがありました。
一家惨殺事件のたった一人の生き残りが中山美穂。
犯人である仲村トオルとしては、犯行時に顔を見られているのが中山美穂だけだというところから、彼女が記憶を取り戻さないように、あるいは取り戻したときに口を封じられるように、彼女の恋人となっていたというのが最終回に明かされ、驚愕したものでした。
その点、本作は、単に旧友に彼女を寝取られちゃった、ツラい。出会った記憶を消したい。
というところからの話なので、そこまで構えなくても良いのですね。
原作は東野圭吾の90年代の作品とのことで、『眠れる森』が98年だったことと合わせ、今から振り返ると、そういう系統の話が流行っていたのでしょうか。
確かに1995年にはオウムがあり、洗脳というのが改めてクローズアップされた時代ではありましたけれども。
ところで、最後近くのシーンで、寝取る玉森くんと吉岡里帆の間で、実は寝取られる染谷くんと彼女が付き合うより前から、自分たちは電車で出会っていたのだから、そこからやり直せるはず、みたいなやり取りがあるのですが、もしやそれも作られた記憶だったりしない?と勘ぐってしまいました。
でも、その設定があるおかげで、吉岡さんの人生にも救いが出てくるのですね。
元々互いに思い合っていた二人。
そうでないと彼女は業務命令で好きでもない男と同棲させられる女ということになりますからね。
日々の生活も田口トモロヲから24時間監視・盗聴されていて。
だって同棲というからには夜の生活もあるわけじゃないですか。
普通に考えてツラいです。
パワハラ・セクハラで訴えてもいいくらいですよ。普通に。
でも、考えてみたら、よく媚中政治家の名前が上がるときに噂にのぼる中共のハニトラ要員の方とかはそういう人生だということですよね。
ああいう彼女たちは、国家公務員だったりするのでしょうか。
いや、党職員なら公務員ではないのか。
まあ、そういう立て付けの方を気にしてしまうくらいにはそういう世界から縁遠いところに生きております。
二人の男性の間で揺れる女性を演ずる吉岡さんですが、昔を思い出し一人泣くシーンでは、嗚咽しながら過呼吸気味になるなど少し演技に過剰さがあったりして、多分大画面で観る映画とか舞台向きの人なんだろうと感じた次第。
テレビ・CMだとイマイチはまらないことが多いように思えるのはこういうところなのかな、と。
まあ、宝くじのやつは敢えての演出なのだろうと思いますが。
U-NEXT、dTVでも観られます。