映画『アイネクライネナハトムジーク』視聴。
伊坂幸太郎が原作だということはエンドロールで知ったくらいに事前情報なしで観たのですが、これは仙台を舞台にした短編小説集を映像化した作品でしょうか。
『きみはいい子』も短編集を元にした映画でしたが、あれに比べると一見まったく別々の舞台で動く登場人物たちが、絶妙なタイミングで重なってきますね。
その分、話が重層的になっているということもできるし、かえってややこしくなっているということもできるし、まあ、評価は難しいものです。
無理して接点をもたせようとしているところもあって、そこが不自然さを生んでいるところも無きにしも、ですが、まあお話ですから。
あっても良いと思います。
ストーリーに迷いそうになったら、基本的には、三浦春馬が10年の時をかけて多部未華子と結婚する話だということを押さえておけば、迷子にはならないかと。
ただ、その10年というのも、10年間を作品の中で観客とともに消化するのではなく、「そしてその10年後」というテロップだけで片付けられるので、少し戸惑いはあります。
何より、仙台の映画だということで、震災のことはどう描かれるのか、というのが気になったのですが、まったく触れられず。
主人公二人が同棲を始めたきっかけくらいにはなっていたのかもしれませんが、そういうところは観客の想像に任されるわけですね。
中途半端にお涙頂戴ネタとして扱うくらいなら、こうやって捨象するのはありです。
とはいえ、『きみはいい子』では、時折映る街の風景が、小樽の魅力を湛えていたのに対し、あまり仙台のそういうところを使おう、という意志は本作品からは感じられませんでした。
となると、この作品が仙台が舞台であった必然というのも実はなかったのかもしれません。
『弥生、三月 君を愛した30年』みたいに、バスとそれを追いかける主人公、というのはありましたが。
プロボクサーのセコンドにサンドイッチマンの二人を使ったのが、唯一の「仙台」映画らしい点だったりして・・・。
実は、一番印象に残ったのは、ストリートミュージシャンである斉藤和義が、10年間、同じ場所で歌を歌っている、という点。
10年、ストリートミュージシャンを続けるって、それはそれで大変ですからね。
dTV、U-NEXT、huluでも観られます。
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