映画『裏アカ』

映画『裏アカ』 評論

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映画『裏アカ』視聴。

30代に入ったアパレルの店長が主人公です。
仕事で後輩から突き上げを食らい公私共にふらついたところを、ツイッターでハッチャケてしまったところからの顛末。

「裏アカ」と言いつつ、主人公はツイッターアカウントを一つしか持っていない時点でタイトル詐欺!
とまあ、そんなことを言いたくもなりますが、一般から見たインスタとツイッターの世界観の違いが現れているようでいて、悲しくもあります。
つまり、インスタが表でツイッターが裏ということなのでしょう。
ええ、ツイッターのアカウントというものは世間では「裏アカ」扱いなのですね。酷い!

一見すると華やかなインスタの世界ですが、主人公も仕事の一部として自社商品をアップすることを要請されていることからも分かる通り、陽でオフィシャルで表の象徴
一方のツイッターは、主人公が自身の体を使った過激な投稿を繰り返していたように、陰で本音で裏の象徴

ストーリーは「裏」の充実が次第に「表」の充実に繋がりつつも、「裏」の存在が「表」の世界でも知られることによって、やっと掴みかけた「表」の成功も失うという展開です。
ありきたりと言えばありきたりですが、そんなに表と裏にこだわるべきだったでしょうかね。
なんてことを考えてしまいました。
もちろん、本作のタイトルが「裏アカ」なので、そういうストーリーなわけですけれども。

自分は、インスタもツイッターも、専ら情報収集に使っている程度ですが、インスタでは趣味ごとにアカウントを分けていますし、ツイッターはリストでマーケット系とか不動産系とか系統を分けて追いかけるアカウントを整理しています。
なので、どれが表とか裏とかそういう感覚は無いのですね。

無論、もはや自分はどこかに所属するサラリーマンというわけではないので、「表」に相当するものもない、というのはありますけれども…。

アマゾンレビューを見る限り、本作は女性ウケのほうが強いようです。
(男性からの高評価もありますが、瀧内公美さんの体に対してのものも多いので、そこは割り引いてみないといけません。)

承認欲求というとおどろおどろしいですが、そこまで強く言わないまでも、女性性からも仕事からも降りられない女性がテーマで、そのツボにハマるのは女性が多かった、ということでしょう。

でも、そんな女性たちに対しては、「表」と「裏」というのではなく、「推し活」でもなんでも良いので複数のアカウントでも作って生活の幅を広げてみたら良いのに、とは思いますが、もちろんそういう人には本作は刺さらない。

逆に、これが男の「表」「裏」の物語だったら、どうでしょうか。
本作を反転させたように男ウケはしたでしょうか。
自分はそうは思いません。

多分、今はもう、男であることから降りられない男の辛さみたいな話は作品になりえないのでしょう。
でも、女であることから降りられない女の物語は、こうして紡がれるわけです。

男、といいつつ本作の主人公のように30代以降の男性で思考実験するなら、「表」でうまく行かなければ、大抵は女性から人権ないとかキモいとか言われつつも、さっさと男であることからも降りてしまい、ツイッターでオタク活動に励んでいます、みたいな像が浮かんできます。

そういう意味では、主人公が最初に出会ったワンナイトの男性(神尾楓珠)がちょっと若すぎたでしょうか。
徹底してわかりあえない、という存在としての20代前半の男性ということなのでしょうが、わかりあえなさはそこで出さなくても良いのではという気がしましたね。
あれだと、男の側は無理にこじらせた人物という感が出てしまいます。

それに、主人公にとっては彼が特別な存在となりますが、この歳の差があると、単に若い男を漁ってそれを忘れられなくなったイタい30代女性、みたいな感じにもなってしまっていて残念。
そうではない男性との出会いで良かったのでは、と。

あと、出演俳優リストのかなり上位に神戸浩さんが出てきて、どんな役だろうと楽しみにしていたのですが、飲み屋のチョイ役じゃないですか…。これも残念。

もしかしたら今や普遍なのかもしれない「女はつらいよ」な一本。

U-NextdTVでも観られます。

加藤卓哉作品

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コメント

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