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鈴木涼美『8cmヒールのニュースショー』読了。
「週刊SPA!」の連載を単行本にしたものとのことで、時事ネタを鈴木節で気ままに書いていているのが心地よいです。
オトコにフライパンで頭を殴られたとか、相変わらず私生活は狂ってそうですが、それも含めて鈴木涼美という人間なのでしょう。
「SPA!」なので、真面目に議論をするというよりは、こういう見方もできるよね、という以上のものではないし、そこでお硬い論説を聞きたい人もいないでしょうから、さっと流して読むくらいでちょうどよいです。
毎週の連載ということで、ある程度置きにいっている記事も散見されますが仕方ありません。
そうそう毎週面白いネタもないでしょうから。
御本人の手によるものなのか担当の編集者さんの発案なのか分かりませんが、毎回懐かしの歌謡曲・J-POPをもじったようなタイトルでクスっとさせるあたりもうまいです。
というか、そこにエネルギーを割きすぎて本文に手を抜いた感が出ているところも。
無理にそっちに寄せようとして失速気味、みたいな。
それでも世の中の捌き方というか、ものの見方である程度の文字数を埋められる力量というのは、元新聞記者ならではのものでしょうか。
やり過ぎは白けますが。
オトコ社会を、少し斜めにそして下世話に、ときおり自虐を織り交ぜながら、の鈴木節。
過度に攻撃的になることもなく、政治的に動くこともなく、観察者としての目線をキープするあたりが絶妙。
五輪絡みでの森さんへの当たり方など、ややマンネリ化しているところもありますが、まあそれこそが変わらない日本なのですよ、という見方もできましょうか。
反面、彼女は、一応は社会学徒で上野千鶴子との共著もあるものの、昨今のWBPC問題には首を突っ込んでいませんね。
昨年のAV新法制定に向けたの動きのなかでも、彼女の発言を見た記憶はありませんし。
もちろん、本書の元になった連載は2022年6月までなので、連載時点ではそれに絡めた記事が無くてもまったくおかしくはないのですが、それ以降のツイッターなどを覗いても、距離を置いているようです。
本書のなかで企画女優と単体女優の確執みたいなところにも触れている程には女優の立場については意識的だと思うのですが、党派的な動きはナニカ違うと思ったのでしょうか。
「連帯」している様子もないどころか、一切触れていません。
本書で一番参考になったのは、連載からの転載ではなく書き下ろしの女性向け風俗についての章です。
ここ数年流行ってきた業態とのことですが、無論私は男性なので知る由もありませんでした。
なぜコロナ禍の今なのかについては、「わからない」と早々に分析を投げていますが、顧客層やシステムの説明など突撃ルポ風味でありながら、押さえるところは押さえていて、このあたりは記者上がりというか社会学徒というか。
でも、その突撃取材的な動きの後、結局物足りなくてホストクラブに行ってしまうあたりは、生粋のだめんず・うぉ~か~です。
モリカケサクラ・コロナ・五輪、そして戦争に元首相の暗殺と、ここ数年のニュースをおさらいするのにも最適な一冊。
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