Amazonプライム・ビデオで映画『新宿タイガー』視聴。
新宿の有名人「新宿タイガー」さんのドキュメンタリーです。
声を聞いたのも初めてなら、素顔を見たのも初めてでした。
取材時点で69歳とのこと。
新聞配達員としての仕事も含めて、彼が彼であり続けられる時間も、そう長くないのでは、ということで立ち上がった企画なのではないでしょうか。
無論、御本人にはそんなことは伝えてないでしょうけれども。
実際、配達員の仕事は2020年で終えたそうです。
作品によると、1972年からこの活動を始めたとのことです。
30年くらい前、私は新宿郵便局で配達のバイトをしていましたが、当時既に、彼は有名人でした。
ただ、当時は「新宿タイガー」という名称がそれほど知れ渡っていた感じはしないですね。
人によって、「タイガーマスクおじさん」とか「タイガーマスクの人」とか、単に「タイガーマスク」とか、そんな感じで呼び方はバラバラでした。
ネット時代になって、マイナーな情報も統一化された、みたいなところってありますよね。
今では「新宿タイガー」で大体どこでも名は通っているのでしょうか。
作品の中でも、初めて彼を見た人が「ああ、あれが新宿タイガーさん」と口走っていましたので。
ちなみに、タイガーさんは新聞配達員なので郵便配達の我々とは活動時間が微妙に違いました。
なので、業務時間中には遭遇したことはほとんどなかったです。
当時は、タイガーさん以外にも新宿に変な人はいっぱいいたので、そのなかの一人という感じでした。
作中にインタビューを受けた人が、「新宿だからタイガーは続いた。渋谷だったらこんなに長く彼はタイガーをできていたかどうか。」みたいなことを言っていましたが、そうだと思います。
でも、当時の変な人で今も残ってるのは新宿でもタイガーさんくらいでしょうけど。
作品としては、タイガーさんの日常をずっと追っているだけなのですが、思いの外交友範囲が広い。
というか、毎晩飲み歩いていて、いつ寝ているのか、というくらいです。
朝刊の配達に関しては、夜の延長線上なのではないでしょうか。
で、作品への取材協力として、マイナーな俳優・女優さんがずらっと並んでいるのですが、取材協力というか、単にタイガーさんに密着している中で、彼と飲み歩いた相手の名前を載せているだけのような気も…。
ていうか、渋川清彦さんなんて、自転車で通りかかったのをタイガーさんが呼び止めて握手しただけですからね。
それでも、道端で相手を呼び止めて、直近で見た彼の出演作についての感想を手短につたえて、さっと別れるという見事さ。
頭の回転が非常に速いのでしょうね。
服装はサイケだなぁ、と思っていましたが、テーマはラブアンドピースでした。
新宿タイガーとなったきっかけについて、本作で何か分かるかと期待したのですが、あまり良くわからず。
花園神社で買ったお面だということはわかりましたが。
ロジックじゃないのでしょう。
御本人も「直感」と言ってましたが、そう言われると、もうそれ以上行けない…。
ただ、作品の中で無理やり結論じみたものを出さないところは好感が持てました。
呪文のように「シネマと美女と酒と夢と浪漫」と言い、幸せそうにお酒を飲む絵を見たら、まあ、それで十分か、となりますね。
あと、関わる人は団塊の世代が多いです。
御本人は特に学生運動崩れというわけではないですが、交友関係にはそういう方面も多いような。
一様に、新宿騒乱を始めとした時代を懐かしがっているのが気になりました。
まあ、だからこそ今も新宿にこだわり、そこにとどまっているのでしょうけれども。
そう遠くない将来、在りし日を振り返るとして葬儀場で流されそうな映像です。
U-NEXTでも観られます。
コメント
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