映画『くれなずめ』

映画『くれなずめ』 評論

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Amazonプライム・ビデオで映画『くれなずめ』視聴。

監督は、『ちょっと思い出しただけ』の松居大悟さんです。

地元の仲間の結婚式で、久しぶりに顔を合わせたアラサーの現在と、「○年前」という形での過去とが何度か行き来するのですが、もともとこういう作り方を得意としているのかもしれません。
少しずつ、違和感を解消させるというか。
伏線を回収していくというか。

当初から、成田凌くんの顔色が悪いな、と感じていましたが、途中で死人という設定なのだと気づきました。
仲間6人が現在と過去とを行き来しながら、現在から過去を書き換えることを企図するのですが、成田くんが死んでいるという事実は書き換えられないという。
せいぜい成仏してないから、現在のシーンにも登場してしまうというだけで。
それにしても、『弥生、三月 君を愛した30年』もそうでしたが、なぜ成田くんの地元は仙台という設定なのでしょうね。

Wikiを見る限り出身は埼玉なのですが。元々東北のイメージってあるんです?

脚本のいたるところに陰キャあるあるが詰まっている感じが良いです。
あんまりおもしろくもないギャグで一生懸命仲間内でウケているところとかも含めて。
そういうイタいところも陰キャなのですね。
自分は高専生時代、情報工学科(通称:J科)というところに所属していましたが、学内では寒いギャグは「J科ギャグ」と揶揄されていたのを思い出しました。
ええ、学科全体がそういう扱いでしたね。

それまで特に打ち込むこともなかった陰キャな面々が、文化祭での出し物で快感を覚え、その中の一部は演劇の道に進む、みたいなのも実際にありそうな話です。
カラオケボックスでの文化祭の打ち上げに、スクールカーストの上位代表的な城田優が乱入してきて、一気にテンションが下がるところとか、あるあるすぎて涙が出てきます。

そんな高校時代のエピソードは描かれているものの、各面々が現在に至るまでどういう人生を送ってきたのか、という点についてはさほど深くは掘り下げていないので、人数が多い割にはあっさり進む感じはあります。
作業服を着せることでブルーカラーだったり、スーツ姿でサラリーマンだったりを説明させてはいますが、そこで止まっている感じはありますね。
時間的な制約もあったのかな、という気もします。
ちょっと思い出しただけ』みたいな2人の物語なら、2時間もあれば十分に書ききれたのでしょうけれども。
映画とは難しいものです。

途中、怪しい日本語を話す屋台の店主のセリフの間のとり方が絶妙で、最初顔が映らなかったので、一体これは誰なのだろうと思っていたら、ほどなくして顔が出てびっくり。滝藤賢一さんでした…。
面々の文化祭の出し物での振り付け指導に駆り出されたであろうパパイヤ鈴木さんが、それだけではもったいないという配慮があったのか、その屋台の客に紛れ込んでいたり、結構贅沢ですね。

それから、この期に及んで制服姿の前田敦子を見られるとは…。
遠目に映しているシーンだったせいか、あんまり違和感ないですね。
でも現在のシーンでは、ちゃんと子持ちの母で、そのあたりは現実も踏襲しているのでした。
「もう幸せだわ!」とキレる様は苦笑ですが。

陰キャである自覚がある人なら楽しめる一本。

松居大悟作品

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