Amazonプライム・ビデオで映画『明け方の若者たち』視聴。
北村匠海くんが、大学4年にもなって彼女がおらず、飲み会で黒島結菜と出会って初っぽく恋に落ちる、なんていうのは考えにくいというのはありますが、自宅から明大に通う、親との関係も良好な、そこそこできる男の子、という設定はハマり役。
彼女が院生の既婚者というのは、学生結婚というよりは、学部卒後に一旦社会人になり、そこで出会った先輩あたりと結婚して、会社を退職してからの修士入り直し、という設定なのかな、と思っていました。
だとすると、歳も匠海くんより2つどころではなく上。
大卒後、結婚するまでの年数+2年、匠海くんと歳が離れている、ということになるなー、なんて。
でも、それにしては学生生活最後の夏を楽しもう、みたいな雰囲気が序盤にあったし、どうなんだろう、と。
そのあたりがモヤモヤしていたのですが、観客もそこが気になるであろうことは、作者もわかっていたようですね。
この映画のスピンオフである『ある夜、彼女は明け方を想う』で彼女の側の事情について、説明してくださっているようです。
これは見ないと・・・。
まあ、でも学生という身分同士になると、恋愛での歳の差なんて気にならないものですけどね。
学生時代、自分のまわりにも、再入学してきたお姉さんと付き合っているヤツはいましたから。
一度社会人を経験している女性が、とてつもなく魅力的に見える、そんな歳頃。
実際には、自分が就職して社会人となってから数年、周りでポツポツ出始めた大学に戻るという選択をする女性は、たいてい、公私どちらかで躓いたケースが多かったこともあり、だいぶ見方が変わりましたが。
話がズレました。
映画『明け方の若者たち』の話でした。
とはいえ、本作品のストーリーは学生時代よりはその後会社に就職してからのどうしようもない日常がメイン。
そこに彼女との別れも織り込まれます。
典型的なJTCに勤めてしまい、こんなはずではなかったと沈んでからの描写が長い。
それでもそれらの描写が、同期との競争、という形では描かれないのが、この世代のリアルなのだろうな、と感じます。
新人研修の段階で、こいつには敵わない、と差を見せつけられた彼の同期もまた、その会社の中では輝くことなく、主人公よりも先に転職してしまいます。
社員6人のプロダクションへの転職が、サラリーマンとしての「次へのステップ」な訳がないのは、「僕」も「彼」もわかっています。
主人公も、傷心がなければ、自分の将来をもう少し真面目に考え、それこそ「次のステップ」を考えたのでしょうけれども、彼女のことが頭から離れず、そんな決断が出来るはずもなく数年が経ち・・・。
何より、中盤に彼女と別れてからは、回想シーンですら彼女が一切登場しないのが素晴らしい。
ずーっと彼女のことを引きずっているのですが、彼女の絵は一切画面には現れないのですね。
それが、より一層彼女との距離を感じさせるとともに、もはや再び交わることもないのだな、ということがわかる演出。
彼の性格を察するに、「ボクたちはみんな大人になれなかった」の主人公のように、ふとした瞬間に、Facebookで彼女の近況を検索しちゃったりはしているはずなんですけれども・・・。
学生時代の同期から久々に連絡があったかと思ったら、ネットワークビジネスの勧誘だった、というあるあるエピソード。
社会人5年目、こんなはずじゃなかった日常を変えたいと、一発逆転を夢見てそっちに走る人間が出る頃なのですね。
それに乗らない程度には、心の平衡は保てていることで安心しました。
でも、終盤でマイナビっぽい転職サイトをスマホでスクロールしていましたが、今、君がすべきことはそれじゃないぞ、と思ったのでした。
傷心で何もかもやる気がなくなって、一週間出社しなくても、自分から退職届を出すのでもない限りは、クビにはならない素晴らしい職場環境なのがJTC。
何もその仕事を辞めることはない。
いい女見つけて結婚して子ども作って、普通の幸せを掴めよ!
冒頭の飲み会で、幹事だった彼が言っていたように、君は「勝ち組」なのだ。
世の中にはそれすら出来そうにない非正規で溢れているのだから。
そんな言葉をかけたくなるのでした。
追記)そして『ある夜、彼女は明け方を想う』についても書きました。
コメント
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