映画『パーフェクトワールド 君といる奇跡』視聴。
高校時代の憧れの先輩と最後に結婚するお話ですが、相手は高校卒業後に交通事故にあっていて、社会人として再会した時には下半身不随となっていたという設定です。
とはいえ、作品の半分くらいが過ぎたところで二人は恋人になるので、後半は障害者と暮らすということ、人と助け合うこと、障害者が結婚にあたり周囲の理解を得ること、などの描写が主です。
アマゾンレビューを見ると、評価を低くしている人には、「原作見た」勢と「テレビドラマ見た」勢が多いですかね。
それらを要約すると、とても2時間弱にまとめられる作品じゃないのに何てことしてくれたんだ、みたいなトーンです。
Wikiで原作の流れなどを読むと、これでも結構原作から削ぎ落としているように思えますが、まだ足りない、ということなのでしょう。
自分は本作しか見ていませんが、確かに、是枝くんの存在は単に勘の良い同級生くらいの位置付けでしたし、脳梗塞を患ったお父さんがそれだけで結婚に賛成してくれるようになったのはちょっと薄い気もしました。
想像するに、それらを含めて原作では十分に描かれているものの、映画では十分に伝わっていないのがもどかしい、みたいなところからの低評価なのかもしれません。
ただ、尺を十分にとって障害について語っても重くなるだけ、ということもありえますからね。
特に杉咲花ちゃんみたいなキャラの子にそれをさせると見ている方が辛くなりそうで、まあ、これくらいの軽いタッチで映画としては良いのかな、と。
自分の子どもの頃、よく遊びに行った家のお父さんが小児麻痺で下半身が動かない人でした。
生活はほぼ松葉杖でしたが、普通に仕事(たしか出版社にお勤めだったと思います)をしていたし、庭でバーベキューとかやると率先して動くようなお父さんで、障害者の日常といっても、深刻な日々が続いているわけじゃないと、子どもながらに感じた覚えがあります。
当たり前といえば当たり前の話なのですが。
どうも障害について取り上げたお話となると、軽くても重くても何か一言言いたくなるのは常。
そんな中、自身も車椅子ユーザーだという方がレビューで「理想と現実がバランスよく、描かれている数少ない作品」と評していたのが、印象的でした。
個人的には、ヘルパーの芦名星との絡みをもっと見たかったですね。
主人公が事故直後に自暴自棄になっていたところから支えてきたのは自分だという自負がある芦名星と、そこから立ち直り前向きになってから以降の彼しか知らない杉咲花のやり取り。
短いながらもゾクッとしました。
そんな芦名星は、もう居ないのですね。残念です。
『鴨川ホルモー』のときは、少し演技に難がある駆け出しの女優さん、という印象しかなかったのですが、そこからだいぶ成長していたのを本作で確認できたのですが。
dTV、hulu、U-NEXTでも見られます。