村上臣『Notionで実現する新クリエイティブ仕事術』読了。
最近Notionを触り始めたということもあり手に取りました。
著者はヤフーの執行役員とのことで、データの収集からアウトプットまで実際にNotionを使っているようです。
ただ、本書を読む限りそんなに使い込んでいる感じはないですね。
YouTubeを覗くと、すべての作業をNotionで完結させている猛者の方を結構お見かけしますが、そこまでの傾倒ではないところが逆に好感が持てました。
あくまでもNotionは数あるツールの一つである、という扱いです。
気負いが無いのですね。
例えば本を執筆するときのアイデア出しの作業はPowerPointで書き出してみるとか、noteの原稿は直に下書きで書いておくとか。
熱狂的なNotion信者からすると許せなさそうな使い方ですけれども。
まあ本書の発行が2022年2月なので、もしかしたら現在ではやり方がまったく変わっている可能性もあります。
それくらいNotionの進化のスピードは速いですからね。
というか、まだこんなことも出来ないのか、みたいな驚きはところどころ見られます。
そういうところについても、Notion系YouTuberの方の動画を見ると、率直に不満を述べつつも「まあ、これもそのうち改善されるでしょ。」みたいなノリが多く、昔のMacを取り巻く信奉者のそれを見るようではあります。
逆に言うと、そういうユーザー層を抱えている限り、このサービスはしばらく廃れないだろうな、という感触を持っています。
というわけで、現在自分は徐々に情報の取り回しの軸をNotionに移し始めています。
Evernoteを使い始めて十数年。
溜まりに溜まったデータが積み上がっており、それらすべてのデータと機能を一朝一夕に移すことはできませんが、取捨選択しながらの移行です。
家族には「お前のビッグデータにそんな価値は無いからな!」と言われますし、自分でもそれは理解しておりますけれども、各物件の修繕履歴とかもう少しうまく取り回しできたらいいじゃないですか。
Notionでハンドリングすることで物件ごとの傾向とか分析できるようになったら良いなぁ、なんて。
とかいいつつ、管理会社とのやりとりは旧態依然とした書類への押印がメインのお仕事ですけれどもね。
「いつか何とかする!」とかいいつつ、一応書類は大体スキャンしてはEvernoteに投げ込んできた歴史はあるわけで、あとは分析するだけ。
ま、それが面倒というかできなかったわけです。
Evernoteはそういうツールでは無かったということですね。
ええ、自分の怠惰のせいだけではない。(断言)
本書の著者もEvernoteからNotionに移行したことを告白していますが、両者の違いについて以下のように述べています。
Evernoteなどの従来のメモツールは、良くも悪くも「紙のメモをそのままデジタル化したもの」という印象で、情報をストックすることはできてもキッチリ整理整頓をするのは得意ではありません。一方でNotionは、データベースという形式で情報を管理することで、分類したり並べ替えたり、絞り込んだりといったことを得意としています。
自分は著者のように、Evernoteで整理したデータを「紙のメモをデジタル化したもの」とまでは言いませんが、整理整頓が難しいという感覚はありますね。
何しろフォルダ的に使っているノートブックの順番すら自分で自由に変えられない。
それに、自分の場合は、自分で各ノートブックの先頭に数字をつけて整理していたのですが、自動でソートされるロジックもいつだかのアップデートで変わったのです。
あれは難儀しました。
どういうことかというと、ノートブックとして例えば「XXX」「YYY」「ZZZ」みたいなものがあって、順番としては「ZZZ」は「XXX」のサブフォルダ的な感じだから、「XXX」の次に「ZZZ」を置きたい、みたいなニーズがあってもEvernoteでは出来ません。
勝手に決められれたルールで並んでいるだけです。
なので、自分で「1_XXX」「11_ZZZ」「2_YYY」みたいなことをして擬似的に自分の望む順番を作っていました。
ところがあるときのアップデートで、それまで「1_XXX」→「11_ZZZ」となっていた並びが突如として「11_ZZZ」→「1_XXX」という並びに変わっちゃったんですよ。
つまりEvernote側のソートのロジックとして従前「_(アンダーバー)」は数字の前に来ていたのに、ある時を境に逆になってしまった、と。
仕方ないので、狙った通りの並びになるように「1_XXX」だったものを「10_XXX」へと手動で逐一書き直したんですよね。
まあ、あのあたりで自分の心はEvernoteから離れていたのかもしれません。
もともと、書類をスキャンしてクラウド上にデータとして残すという行為自体は、Dropboxで達成されていたわけです。
Evernoteにはそこから先の取り回しを期待していたのですが、まあ、結局そこまでは至らなかったのかな、と。
EvernoteはPDFの中身も読み込んで検索できる、というのが売りの一つでしたが、以前はかなり検索が遅かった印象で、使い勝手は相当に悪かったです。
それならば手元のPCのDropboxフォルダ内で階層を作ったほうが速い、という話でもあり。
その点、Notionは自由度が高すぎるくらい高いので、各ページの順序を変えることは問題ないし、階層も自由に設定できます。
あとは、ビュー形式を選べるのが良いですね。
Trelloみたいにカンバン方式でタスクを管理することもできるし、項目をいじることで縦横2軸で把握できるのは大きいです。
それから著者はWebClicpperとしても使えることをNotionの利点にあげています。
実際はEvernoteでもその機能は付いているのですが、これも反応が遅いのですね。
クリップをさせてからクリップを終了しデータを取り込み終えましたという表示になるまでに数秒かかる。
意外とそこはストレスになったりします。
気になるサイトをタブでどんどん開けていき、後にまとめてクリップしたりすることがあるので、その作業が苦になることがあります。
それに、結構あのWebClip機能が死ぬことがあってあれもストレスです。
それに比べるとNotionのクリッパーはサクサクセーブできるので良いですね。
これまでの感覚で構えてクリックすると拍子抜けします。
まあ、まだまだ使い倒すには至っていませんが、とりあえずこんな感じのツールですよ、というのをざっくり掴むのに良い一冊。
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