Amazonプライム・ビデオで映画『シン・ウルトラマン』視聴。
話題作が半年程度で配信に来てしまう世の中なのですね。
とはいえ、このタイミングでプライムビデオで観られるのは期間限定なのだろうということで早めに消化しておきました。
監督は樋口真嗣さんで、『ローレライ』で肩透かしを食った身としては、やはり脚本が良いと作品が締まるなぁ、という小並感。
あの作品、特撮部分は評価できても、野球ボールが詰まって相棒が死亡、というのはお話としてまったく理解できなかったですから…。
その点、本作はお話としてもSFの王道でしょうか。
圧倒的な知能を持つ宇宙人(本作では外星人と呼ばれていた)と対峙することになる地球人という構図です。
とういうか、ありきたりなのかもしれませんが。
でも、あまりその手の世界観に精通していないので、『三体』みたいだな、という以上のコメントは出ません(語彙力)
『三体』では宇宙空間を行き来するので、時間軸が非常に長かったのですが、そこは映画だからということもあるでしょうか。
何の前触れもなく、次から次にいろいろな外星人がやってきますね。
そして、それらはいずれも人類よりも知能が高いという。
昔、『ウルトラセブン』での敵側のセリフで、
「人類なんて、我々から見れば昆虫のようなものだ」
というものがありました。
子どもながらにあれには結構違和感があったんですよね。
上から目線の割には、変に視線の解像度が高いというか、人間寄りのコメントじゃないですか。
人間の昆虫に対する扱い方を知っているというのはまだ良いですが、それを煽りに使うのはおかしくないですか、という。
人間が昆虫を駆除するとき、昆虫に分かる言葉で「オマエラなんかミジンコと同じじゃ」とか話しかけて、もったいぶって攻撃したりしないですよね。
下等生物に対してわざわざ攻撃理由なんか説明しません。
さっさと殺虫剤プシューですよ。
その点、本作品は主人公が人間に興味を持ったきっかけについて丹念に説明していて、そういう疑問を払拭させようと努力しています。
地球人の文明はまだ自分たちには追いついていないけど、ときに利他的な行動を取るなど素晴らしいところがある。
虫けら扱いは出来ない、みたいなところでしょうか。
行動にもいちいち背景を必要とする、そういう面倒な人が作ったウルトラマンということでしょうね。
地球が滅びそうになるけど、すんでのところでそれを回避する、というのもお約束の展開です。
ただ、滅ぼしに来るのがウルトラマンと同じ光の星の使者である、という点が今日的ですね。
メフィラス星人は人類を隷属させるためにやってきましたが、光の星の使者の来訪動機は、人類は兵器転用が可能なので存在自体が危険だから絶滅させます、って言うのですから、酷いにもほどがありますよ?
単なる侵略が目的でもなく、『逆襲のシャア』のコロニー落としのように、人類は愚かだからこの星は滅ぼさないといけない、といった名目でもなく。
人類が賢く有用であるがゆえに、より高度な生命体に利用されてしまうから、前もって処分しないといけなくなった、という。
単に愚かな人類、みたいな話はプリミティブすぎるんですかね。
SFの世界も結構複雑になったんだな、と。
単に子ども向けか、大人向けかの違いなのかもしれませんけれども。
コメント
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