武田所長『スモールビジネスの教科書』読了。
本文中、時折思いついたように「~しなさい!」という命令口調になるのですが、編集からの指示とかなのでしょうか。
新書の書名にもよくあるやつ。
でも、本書の場合、前後の文章の理路整然とした書きぶりからは、そこだけ逆に軽く見えてしまいます。
ちょっとこれはマイナスだったかも。
読んでいて、事業家botさんの『金儲けのレシピ』みたいな感じを覚えたのですが、二人は大学の同期だとか。
で、『金儲けのレシピ』でのアマゾンレビューなどへの打ち返しとして、本書が企画されたという経緯があるそうで、両書はセットで読むべきものなのかもしれません。
いずれも扱うビジネスについてその規模感を提示しています。
事業家botさんは「10億円」という数字で、そして本書は「スモールビジネス」という言葉で。
通読して感じたのは、つくづく自分にはビジネスセンスは無いな、という点。
本書で提示されたステップを経ても、響く響かない、とかでなくまったく想像できないのですね。
ビジネスを抽象化して言葉で語られるとまったくわからない。
自分は、コンサル業界とかに進まないで良かったと思います。
頭を捻ってみても、何か具体的なビジネスの種となりそうなものはまったく浮かびません。
四季報やIR情報などをくまなく見てアイデアを見つけるようにとの指示がありますが、それをやってどこかの業界に詳しくなっても「ここに商機あり!」みたいに何かを見つける、なんてことは自分にはできないだろうという謎の自信がありますね。
エクセルで利益モデルを作ってあれこれいじりながら、少し先の財務を予想するくらいのことはできるでしょうが、新規事業を創出するとか評価するとか、そういったことは難しい。
まあ、人間には向き不向きがあるのだな、という当たり前のことがわかっただけでも有意義でした。
本書が言っていることはなんとなくわかるのです。
大手企業が進出するまでもない分野で、競合に比べて多少値段とかで見劣りしないものを提供する。
別に、革新的なサービスとかでなくて構わない。
オーナーとして求めるのは生活の平穏。
それがスモールビジネスなのだ、と。
まったく異論はありません。
でも、何を以てそれをやるか、まで進むのは自分にはハードルが高いな、と。
まあ、そういう意味では自分は、ほそぼそと大家業やるくらいで良さそう、と思ったのでした。
今後インフレで家賃も上がってくれば理想的、と。
さすがに金利の上昇率よりは家賃の上昇率のほうが高いでしょうから。