事業家bot『金儲けのレシピ』読了。
帯には「10億円稼げるレシピ、1500円で売ります」とあります。
そして、もう一方には、「東大中退→年商10億円」とあります。
「稼げる」というのは利益のことだと理解しています。
そうすると実業ならおそらく年商≠利益なので、どちらかは違う、ということになるでしょうか。
もしかしたら、「10億円稼げる」の部分は、これまでの累計の数字で、年商の10億円と比べるべきものではないのかもしれませんけれども。
いや、そんなところを気にしてはいけませんね。
10億というのはある種のメタファなのでしょうから。
それにしてもこの10億という数字がまた絶妙なサイズ感ですね。
1億と言われたなら、ちょっとした大家ならこれくらいありますよ、になりますし、100億ならちょっとした上場企業でしょうから、匿名で出版というわけにもいかないでしょう。
これくらいの商売の規模で、決して本名・顔出しもせず、世間での活動といったら、ツイッターで演説するくらい、頼まれれば本も書きますが、というレベルが、一番精神衛生上もよろしい成功者なのかもしれないですね。
ちなみに15のレシピとありますが、レシピ0から始まるので、正確には16個です。
一番響いたのは、最初に資本主義ときちんと向き合うことを要求しているところ。
ポスト資本主義とか評価経済とか、ぬるい事言ってないでちゃんと儲けることに注力しろよ、と。
やっぱりこういう人のほうが好感が持てるんですよね。
かつ、こういう思想を持った人が、企業経営に携わる人の中での標準になってくれば、徐々に状況も変わってくるのかな、と。
例に上げるのが適切かどうかわかりませんが、堤清二(辻井喬)さんみたいに、経営者の顔もありながら作家だったりしたりするところにも現れていますが、まっすぐに事業・経営というものに向き合っていない感じというのでしょうか。
あの世代の、なんというか豊かさに後ろめたさのあったところというのが、結局のところ、バブルとは関係ない部分で、この失われた30年の遠因にもなっているのかな、という気がします。
浜田省吾の『J.Boy』にも「J.Boy 頼りなく 豊かな この国に」という歌詞がありましたが、バブルのときでさえ、こういう空気感だったのかな、と。
豊かであることに罪悪感があったら、そりゃ没落しますわ。
そういえば、堤さんには上野千鶴子と共著もありましたね。
タイトルがまた秀逸。
『ポスト資本社会のゆくえ』
何も言いますまい。
コメント
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