映画『ファンシー』

映画『ファンシー』 評論

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Amazonプライム・ビデオにて『ファンシー』を視聴。

ひなびた温泉街の日常を切り取ったようでいて、全然ありえない世界の話。
まさにそこが「ファンシー」なのでしょうけれども。

戸倉上山田温泉を舞台にした作品なのは、最初にその設定ありきだったのでしょうか。
というか、町おこしの一環みたいな話が先にあって、その後にこの題材でいこう、という流れになったとかかな、なんて。
そのあたりの話を知りたいですね。
まず最初に「ここを舞台に永瀬正敏で映画を撮りたい」という意見が役所とかJCで持ち上がった、みたいな。
サブカル好きな青年たちが立ち上がった、みたいな。

出来上がりを見ると、濱マイクの横浜を温泉街に変えてみた、みたいな感じなのですね。
で、横浜なら探偵稼業でも話はいけるでしょうけれども、温泉街ではそういうわけにも行かず。
で、昼は郵便配達員、夜は彫師というダブルワーカーをしている、という設定にしましたよ、と。
この郵便配達員という設定も良いですね。
何かと何かを中立的に繋ぐだけのはずの存在ですが、そこは少しいじるだけでいくらでも膨らませそうで。
実際、外界とは関わりのないはずの「ペンギン」詩人と唯一交流できる存在になっています。
でも、配達員というだけだとダークさが出ないんですかね。

ただ、実際にはああいうヤクザな感じの郵便局の人、いましたけどね。昔は。
今じゃありえないかもしれませんが。
16~17歳の頃、新宿郵便局で配達のバイトをしていたのですが、ああいう雰囲気の人が、結構いたのです。
仕事も少しいい加減なところもあるんだけど、あの人だからしょうがない、みたいな感じで部内でもアンタッチャブルな存在になってたりして。
(本作での永瀬さんは勤務態度は至って真面目という設定ですが)
でも、結構ご飯をおごってくれたりとか、(当時の)青年をかわいがってくれました。
もちろん、ヤクザがかっているだけでヤクザではありません。
まあ、配達区域内に実際の暴力団の事務所もありましたけど・・・。
暴対法が施行されて程ない頃だったので、賃貸の契約も更新出来ないのか、しょっちゅう引っ越しをしてるんだ、なんて話を局員の人が言ってましたっけ。
賃貸で入っている場合、契約更新を断られたらおとなしく出ていくものなのですね。
暴力団なのに。

話がズレました。
『ファンシー』の話でした。
主人公は郵便配達員と彫師という二つの顔でしたが、局長は郵便局長とポン引きという二足のわらじで、これは温泉街だからこういう設定なのかな、と。
これはこれでステレオタイプな感じもありますが、終盤にかけてエキセントリックになっていくところも含めて、そういう余地を埋め込むには最適なのかもな、と感じた次第。

ストーリーとしては、代わり映えのない温泉街の日常に、詩人のところに押しかけ女房が来るが最後に去っていく話と、仕事を終えたヒットマンが街に逃げこんでくるものの最後その街で殺されるという話が同時並行で進みます。
で、それぞれが昼の主人公と夜の主人公と接点を持つのですが、無論最後まで両者が交わることは一切ない、という。
この交わらなさは、『君はいい子』のような原作が短編集だったから、という事によるというよりは、人には二面性があるのだからそういうものだ、ということなのでしょう。

別の顔のことは知らなくて良い、と。

永瀬正敏

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コメント

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