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篠田直哉『ロバートの元ストーカーがテレビ局員になる。』読了。
子どもの頃からロバートが大好きで、それが長じてテレビ局員になり、今ではロバートと番組を作る側になってしまった、という著者の半生記です。
タイトルには「ストーカー」とありますが、犯罪的なものではなく、熱心なファンという程の意味合いですね。
いや、ファンを超えているかもしれませんが。
ロバートファンのグループを率いることになったり、秋山のお父さんと懇意になりお父さんのお店でバイトをすることになったり、大学では学園祭にロバートを呼びたいというだけで実行委員になったり、と行動がとにかく突き抜けています。
それでも「ロバートが好き」、が転じて「自分がロバートのようなお笑い芸人になる」、とはならなかったところが面白いですね。
「○○のような芸人になりたかった」というのは、どんな芸人のエピソードにもでてくるものです。
特定の芸人が好きで、ネタもメモって分析しているほどの人です。
劇場ではメンバーに呼ばれてステージ上でコントをやらせてもらうという稀有な経験も得た人です。
それでも、別にどこかのお笑い事務所に所属して活動した、とか、放送作家として○○放送に出入りするようになった、とかいう話の欠片もないのですね。
普通に大阪で中学・高校を出て、大学についてはロバートに会いやすいという理由で上京の道を選んだものの、大学生活が終わる頃には特に博打的な進路を選ぶこともなく、普通に就職活動に励む、という。
もちろん、吉本興業でインターンをする、という程度にはギョーカイ寄りではあるものの、そこでロバート秋山に真顔で「吉本に入ったからといって、お前のやりたい仕事がやれるとは限らない」という助言を受け、テレビ局へと進むのです。
そこで制作会社を選ばないあたりも秀逸。
そつのない人生です。
幼少期のエピソードを読むと、かなり育ちが良いことが伺えます。
その育ちの良さならではのスマートなライフプランで、新卒でテレビ局へ就職。
ただ、名古屋の放送局に就職したことについて、大阪出身ではあるもののロバートは東京のお笑いで、名古屋なら東京のお笑いも関西のお笑いもどちらもできると思った、みたいな記述は、さすがにうまくまとめすぎかな、と。
その前に、東京の放送局は全部落ちた、って書いてたじゃん、と。
まあ、そういうリーズナブルな説明をてらいもなく書けるところもまた、育ちの良さなのかもしれませんが。