フミコフミオ『恥のススメ』読了。
フミコフミオさんの新刊を、買うかどうか悩んでいたら、アマゾンさんからkindleunlimitedで既刊本をオススメされたので読んでみました。
本というか、Kindleでだけ出版されたものですね。
「恥」をテーマにした、いつものブログよりは真面目な?文章の続く一冊です。
表紙は、社会の窓が開いている絵です。
本書の中にこれに関するエピソードが出てきますが、念の為に言っておくと、この窓は著者ご自身の窓ではありません。
著者の部下の窓です。
部下が営業先で社会の窓を開けっ放しにしていて失注しそうになった、という要点だけ聞くとナンノコッチャな話ですが、そこから話が膨らみます。
自分の失敗を「恥」と片付けてしまうことで本質が見えなくなってしまっていることってありませんか、というお話です。
その懸念というか、危機感。
そのあたりについての分析ですが、耳が痛いですね。
「恥かいたー。」
で済ませるのは、恥ずかしいだけで楽ですから。
で、そこで留めるのではなくその「恥」を有効に使うためにどうしたら良いか、という提案がいくつか書かれています。
一つは組織論というか会社での使い方。
恥ノートという匿名で書くノートを交換日記のように部署内に置いたら雰囲気も良くなり、ミス・失敗も共有されるようになったというお話でした。
もう一つは自身の恥をSNSに記すこと。
受け手のことは気にするな、というのが参考になりますね。
ネットで何かを発信するときには、そこで触れる相手のこともきちんと考えてからにしましょう、というのが定石ですが、自分自身の恥体験の開陳である限りは、あんまりそこを気にしても仕方ない、ということで。
ただし、自分では恥かいたー、とまでは書かないこと。
行動についての振り返りはするけれども、自分では評価はしない、というのが鍵ですね。
最後に、そういう「恥」を共有化できるツールがあったら太宰も死なずに済んだのでは、というのは示唆に富みます。
すべてを自分で抱え込み、抱えきれなくなって自死に至った、というのはわかりやすいですね。
著作で恥を吐露できたとしても、その時代では経験から執筆、出版までのタイムラグがあるので、すでに心の傷になってしまっている。
そうなる前にSNSで開陳できる今日という時代は、ある意味で幸せなのだ、と。
まあ、フル活用してそうな人としてすぐに思い浮かんだのは岐阜暴威氏でした。
投資の世界というのは経過も結果もすべて数字で出てしまいますが、その逐一を開示していて、大損ぶっこいて精神的に荒れれば、それもふくめてYouTubeでのコンテンツにしてしまうという。
とはいえ、一人暮らしをはじめてすぐに家賃分も投資につぎ込んでしまい滞納に追い込まれているのは、大家としては困りものですけれども。
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