リブロワークス『Notionプロジェクト管理完全入門』読了。
Notion本ですが、少人数でのプロジェクト管理に特化しています。
Notionでやれることはかなり幅が広いので、たとえ入門書でもそれらを一通り説明しようとするとどうしても内容が薄くなってしまいがちです。
そのあたりを考えての特化本ということで、これは企画の勝利です。
著者はリブロワークスという「IT書籍の企画、編集、デザインを手がけるプロダクション」とのこと。
法人で執筆すると印税収入も個人にダイレクトに入らないから良いですよね~、なんて感想は横に置いておくとして、実際のお仕事もこうやってNotionを使って管理しているのだろうな、という内容です。
ただ、ガントチャートの解説のところではGoogleスプレッドシートをGASで制御しているものをその他のツールの例として挙げていて、ああ、そこに関しては業務で使っているのはNotionではなくこれなんだろう、と。
すべてのTipsを開陳しているわけではないのでしょうし、どうしても書籍となるとあんまりマニアックなところまでは踏み込めませんが、書籍編集という規模感のプロジェクト管理にもNotionはちょうどよいのだな、というのが伝わってきます。
YouTubeでよく見るNotion推しの方々も、Notionそのものを売り込む会社の方は別として、WebデザインとかWeb広告とか、そういう界隈の方が多いですよね。
いや、別に彼らを揶揄しているわけではなくて、比較的少人数で取り組むことが多く、型にはまった業務とそうでもない業務とが混在していて、フローが変わるたびにIT担当などに仕様変更などを具申するなんてことまではしない、といった組織によく適合する、ということなのだろうと思います。
あと、技術の進歩が日進月歩というか、数週間ごとに新機能が追加されるような環境にアレルギーを示さない業種でないとなかなか使いづらくはあるかもしれませんね。
アマゾンレビューには「NotionAIについて触れられていない」というものがありましたが、記事の執筆とかアウトライン出しとかそういう方面での本ではないので、その人が求めるものは本書にはないだろうなぁ、と。
実を言うと、自分もNotionAIは一度導入したものの、あまりにも使わないので、解約しました。
ChatGPTのPlusもAPIも契約しているので、さすがに過剰かな、というのもありました。
それから、NotionAIの売りは、普段使っているエディタ的なものにそのままAIが入ってくる、というところでしょうが、逆にそれが目障りだったりするところもあるのですよね。
自分が書いた文章と、AIが生成した文章が混在すると気持ち悪いというか。
ブログの下書きをNotionに書き溜めているのですが、自分が書きたいことを書き散らしているだけなので、そこにNotionAIを使うと、脳の中に異物が入ってくるような感覚があるのです。
古い人間ですかね。
それからNotionAIの場合、明らかに「私がさっき書いた文章を断りもなくトレースしてるだろ」という文章が出てきたりすることがあったりして、そこも気持ち悪かったです。
Notionは、全世界のNotionユーザーの書き記したデータをクラウド上に保有しています。
なので、NotionAIはそれをもとにLLMモデルで文章生成させているのでしょうけれども、マニアック過ぎる話題だとそれについて触れているのが全世界で私だけなので、それが色濃く出てしまう、ということになります。
でもこちらとしては、そんな文章をアウトプットしてもらってもあまり意味がない。
なにかアイデアを出してくれるものと期待してAIを使っているのに、自分が書いた文章とほぼ変わらない内容のものが吐き出されてくるだけなので。
まあ、多少リライトはされていましたが。
話がズレました。
副題の通り「Webクリエイター&エンジニアの作業がはかどる新しい案件管理手法」をNotionで始めてみるための一冊です。