映画『青葉家のテーブル』

映画『青葉家のテーブル』 評論

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Amazonプライム・ビデオで映画『青葉家のテーブル』視聴。

西田尚美と市川実日子の話かと思うし、エンドロールでも一番上に西田尚美と表示されるのですが、話としては女子高生の女の子がメインでした。

自分が何者なのかわからないまま、美大向け予備校の夏期講習に来てしまった女の子。
そっち方面の才能もあまり無さそうだということに気づいてしまい、落ち込んだりするなど。
そこに思春期の母娘の関係とか、大人の側の過去の清算とか、色々と混ぜつつも、そんなに深刻にならないように映像に纏めました、という作品ですね。

題名が示すように、食卓が鍵、というか、おいしい食事さえあれば、大抵のことは解決されるというのが救いです。
深く落ち込みそうな悩みも、気まずい沈黙も、「美味しい!」の一言で空気は変わるという。
そのあたりが要因なのでしょうか。
アマゾンレビューでも、薄いとか中身がないとかいう言葉が並んでいます。
でも、案外日常って、そんなことでやり過ごしているところもありますよね、と。
映像作品だからといって、人生での躓きや拘りの一つ一つを片付けないといけない、というわけでもないでしょうけれども、まあ、気になる人は気になるかもしれないな、と。

主役(級)の女子高生の子に、最後、宿題はあるけど答えはまだ出せない。だからまた5年後に会おう。的なことを言わせているのが印象的です。
ただ、脚本家は大人だからそういうセリフを書けますが、彼女くらいの歳でそれを言えるかというと、それは別の話。
本作の彼女は、色々やりたいことがあるから、で前向きに処しているけど、実際にそんなことってできるかな、と。
クリエイティブな方面で勝負したがっているならなおさらのこと、「何をやってもモノになるものが一つも見つからない。」で落ち込んで終わり、みたいなことになるのが普通かもしれません。

何ができるわけでもないがクリエイティブな方面で何者かになりたい、というので自作の名刺に「クリエイター」という肩書をつけてしまう彼女。
その名刺をぞんざいに扱われて当然に傷つく彼女。
学生時代、仲間とクラブを借りてパーティをやったりしていた頃、そういう子をよく見ただけに、なんとも言えない気分に襲われました。
フライヤーのデザインとかを頼むと、それなりのものは作ってくれるんだけど・・・、という。
よく電気グルーヴがオールナイトニッポンでバカにしていたタイプの子らですけどね。
「CUTiE」の読者モデルに出てくるような子を念頭に、

何が「デザイナーの卵です~。仕事ちょーだーい。」だ。
お前らは一生孵化なんかしねえよ!

と、瀧がよく暴言を吐いてましたよね。
今となっては、すでに何者かになってしまった彼らは、もう、そこまでのことは言わないでしょうけれども。

dTV、U-NEXTでも見られます。

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