NHKの『逆転人生』かぼちゃの馬車の回を見ました。
美談になっていますが、投資家の側にまったく責任が無いかのような作りには違和感がありましたね。
見ようによっては、マーケットの終期に遅れて参入してきてババを掴んだ投資家が、失敗の責任を銀行に押し付けることに成功した案件、とも読めるわけで。
今回のテーマとなったかぼちゃの馬車を購入した投資家にそういう意識はなく、ただ騙された、という思いだけなのでしょうが、本当はそういう人は投資をすべきではないのです。
成功したら儲けは自分、失敗したら騙された、と言っている話なので。
不動産業者からしても、収益不動産というのは、本来はそういう層を相手にしてはいけない商売なのでしょうが、そういう相手のほうが初手では儲かるのでやめられなかった、ということなのでしょう。
長い目で見れば、まっとうな投資家と複数回取引をするほうが儲けは出るものでしょうけれども、それよりも右も左もわからないサラリーマンをはめ込むほうが手っ取り早く儲かった、というのは、これもまたアベノミクスというバブルの副産物ですね。
私自身はスルガ銀行からお金を借りたことは無く、今回のどちらの当事者でもありません。
売却した物件の買い主がスルガで融資を受けていたということはあり、日本橋のあのビルにも何度かお邪魔したことはありますが。
なお、スルガの行員は、出てくる人皆、およそ銀行員という感じではなく、どちらかというとナニワ金融道に出てきそうな出で立ちの人ばかりでした。
かぼちゃの馬車案件では、一件あたり200~300万のキックバックもあったとなると、銀行員・街金というよりは不動産ブローカーというほうが通りは良かったのかもしれませんが。
マーケットが過熱するにつれ、融資を引いて通常のアパート・マンションを購入するのには、利回りが追いつかなくなります。
そうすると、投資対象が普通の賃貸住宅ではないものにシフトしていくというのは、昔もありました。
以前だとウィークリーマンションどまりだったものが、アベノミクスの下では民泊・シェアハウスといったところまで進んだということなのでしょう。
そして、運営は別会社で行いサブリース形式にするので、オーナーの手は煩わせません、というパッケージにまでしての商品化。
ただ、そこまで無臭化させても、元々スルガのビジネスモデルは、サラリーマンの給与収入まで併せての返済能力を見て貸しているものなので、運営が崩れたからといって代物弁済されちゃったら、成り立たないですよね。
とはいえ、この案件は、立場によってだいぶ意見が変わってきて当然だと思います。
なお、スマートデイズ側の意見としては、佐藤太治氏のYouTubeチャンネルでの一連の映像が面白いので必見です。
今回、代物弁済を勝ち取った投資家さんたちには、二度と投資の世界には入らないことをおすすめします。