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梯谷幸司『自分のままで突き抜ける無意識の法則』読了。
以前ならこの手の本を読むことは無かったはずですが、先日の『スピリチュアルズ』以降、少し傾向が変わったかもしれません。
あとは子どもが通っているロボット教室の講師がこの手の話をよくしているようで、子どもに質問されたときに面食らわないように少し免疫を付けておきたい、というのもありますね。
ただ、内容にすんなり入れるかというとそんなことも無いのですが。
無意識というものが、人々の行動を支配している、というのは十分に理解できます。
原因があって結果があるのではなく、結果があって原因が見つかる、というあたりまでもまだついていけます。
でも、未来の記憶とか、明るい未来の記憶を思い出すことで明るい現実がやってくる、とか言われると、ちょっと引き気味に。
NLPや認知心理学といった分野の話を元に組み立てられているようですが、このあたりに違和感を感じて、どうしたものかと首を傾げておりました。
どうやらそのあたりの感触は、その分野の専門家の方にもあるようで、Amazonレビューで指摘がありました。
なので、この本のような考え方が必ずしも全面的に受け入れられているわけでもないということに安心もしましたが、よく読むと本書はこのレビュー以上のことを言っているので、それも含めて指摘しておこうと思います。
まず、その当該のレビューの骨子ですが、悩みの本質は、大脳辺縁系を中心とした負の感情エネルギーのコントロール欠如にある一方、言語は前頭前野(特に左脳)が司るため、肯定的な言葉によってそれをコントロールをするのは難しい、というものです。
つまり、脳の中で悩みが発生している場所と言語がグルグルする場所は違うので、言語で悩みは消えません、ということです。
割とすっきりする説明です。
ただ、本書の場合、悩みを消す、とかいうところを超えて、より良い現実が発生する、というところまで話を進めているのですね
言語によって現実を再解釈する、というだけではないのです。
自己啓発系の話としては、こういうのは普通なのでしょうか。
とはいえ、マントラのように肯定的な言葉を唱えて、自分の中での世の中の解釈を変えようとか、よりよい現実を引き寄せようとかいうのとは少し違います。
昔、「最高です!」を繰り返す新興宗教がありましたが。
本書の場合は、
1.望ましい未来像を描き、
2.それに向けての過去の再解釈を通し、自分の世界を作り変える。
3.そうすると、望ましい現実がやってくる。
という三段論法ですね。
やはり3がちょっとしっくり来ません。
やってくる現実を望ましいものとして解釈できるようになる、あたりならまだわかるのですが、挙げられている事例は、がんが消えるとかそういうレベルの話なので字面通りに捉えるべきなのでしょう。
まあ、ここまで来ると、「そんなふうにネガティブなことを考えていると運気が下がるよ」とか、「ポジティブな言葉を使うと、運が巡ってくるよ」とか言ってくれる方がすんなり入ってくるような。
え?それじゃ宗教?
まあ、この際なんでもいいですわ。