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橘玲『スピリチュアルズ』読了。
フェイスブックの「いいね」を読み込ませるだけで、その人の人格が顕になってしまうとは、恐ろしい時代です。
もちろん本当に怖いのは、それに留まらず、そこで分析された人格をもとに、適切な広告を打たれることで、人の選挙での投票行動まで変わってしまうというところですが。
イギリスのEU脱退、トランプ当選の話で一気に引き込まれます。
ケンブリッジ・アナリティカと選挙の話は、なんとなく聞いたことはありましたが、そのモデルだとか背景などは知りませんでした。
もちろん、ケンブリッジ・アナリティカ社がこういうモデルで分析しています、という発表をしているわけではありません。
なので、本書ではおそらくはこれを使っているのだろうという、ビッグファイブと呼ばれるパーソナリティ心理学のフレームワークを中心とした解説が為されます。
ビッグファイブと言うからには5つの判断軸があり、
「外向的/内向的」「楽観的/悲観的」「協調性」「堅実性」「経験への開放性」
というものだそうですが、本書では8つの判断軸を使っているのですね。
ビッグファイブの5つのうち、著者の意見により、協調性を「同調性」と「共感力」の2つに分けたのと、「知能」と「外見」をプラスし、合計8つになっています。
いわゆるパーソナリティ心理学というものに、「知能」と「外見」がプラスされているのが、橘流ということでしょうが、本来分析をしたいのであれば当然に入ってくるであろう項目と思われるこの2つが、学問の世界では抜け落ちている事自体が、リベラル的価値観に、ある意味毒されているとも言えるその界隈での「言ってはいけない」タブーな事項なのかもしれません。
とはいえ、学問の世界では扱えないこういった項目も、多分にケンブリッジ・アナリティカを始めとした実用の世界ではふんだんに使われているのだろうな、とも感じます。
それゆえに余計に表に出てくることは無いのでしょうけれども。
それにしても、著者のアレンジを加えてもわずか8つの項目で人格が類型化されてしまうことに驚愕します。
その点について著者は、
「「人格(パーソナリティ)」とはあなたの内部にあるのではなく、身近な他者の評価がフィードバックされたものだから」
だとしています。
裏を返すと、他者が見ている自分はこの程度でしかない、ということですが、まあ、言われてみたら自分はこの程度の判断軸ですらも他者に向けていないかもな、と思いました。
自分は特殊事例ではあると思うので参考にはなりませんが。
会社勤めをしているわけでもなく、日常つきあう人と言っても、管理会社と銀行の担当くらいのもので、それだってあまりにも嫌だったら代えてもらうとか、極力会わないとかいう選択肢もこちらは持ち合わせているわけで、細かに分析して対処しなくてはならない関係そのものが無いのですね・・・。
本書は『スピリチュアルズ』という題名なのですが、スピリチュアル的なことまでは手が回らず、著者の言う「ビッグ8」の解説で終わってしまった感があります。
Amazonレビューにも、「騙されたー」的なことを書いている人がいますが、あとがきで著者も触れている通り、その部分はこれから書いていくとのことで、それはまた次回作以降に期待したいと思います。
コメント
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