ドラマ『正直不動産』第1話視聴。
ツイッターの不動産クラスタでは漫画連載時からずっと話題になっていて、ドラマ化決定とか便乗本出版とか木下ほうか降板とか、ここに来てネタの宝庫になりつつありましたが、実は昨日が初回放送だったのですね。
もうワンクールの放送が終了していたのかというくらいの感覚でおりましたが、あわてて視聴しました。
やはりツイッター界は時を先取りしすぎてますね。
話題になっていることを知りながらも原作を読んでいなかったのは、「正直不動産」というくらいだから、不動産業界の中で曲がったことが大嫌いな誠実な熱血漢の主人公が、業界の矛盾に悩みながら誠を通すことで読者をスカッとさせる、というようなありきたりなストーリーだと思いこんでいたからですね。
別に冷笑したいわけではないのですが、そういうお話だと読んでいて疲れるので敬遠したかったというのがあります。
でも、まったく違っていたようで。
ドラマで山Pを起用している時点でそれはないだろうと気づいていないといけなかった案件かもしれませんが。
お話としては、きっかけが「祟り」だというのは置いておくとして、もとは普通の?口八丁手八丁でのし上がってきた不動産営業マンが、ある日突然嘘がつけなくなってしまった、という設定で、これは入り込めます。
そういえば清水義範の本でこういう話あったなー、と。
「もれパス係長」というやつで、心の中の言葉がテレパシーのごとく周りの人に漏れてしまうという設定でした。
あれは、心の声が漏れてしまうことで、会社をクビになっただけでなく家庭も崩壊したとかいうオチだったでしょうか。
アイデアひとつで駆け抜けたショートショートなので、話自体はあまり覚えていません。
ですが、本作は逆に本音が口を付いて出てきてしまうことで、うまくいってしまうということのようです。
主人公の勤め先は、新築の収益も取り扱い、賃貸仲介も管理もやり、というなんでもありの不動産屋で、なおかつ自身もなんでもやる営業マンなのは少し現実離れしていますが、それも、いろいろな不動産ネタを仕込むためのドラマの設定でしょう。
それよりも下世話的に気になったのは、木下ほうかが出ていた元のシーンをどうしたのか、という点。
降板決定後、NHKは特に代役を立てることもなく登場シーンのカットで対応したとのことでしたが、どう細工したのかな、と。
全カットとは言っても、社内でのシーンとか、机は並んでいたりするでしょうから映り込んでいたり、それを消した痕跡とか無いかなー、と思ったのですが、ざっと見た限りでは見つけられず。
これはNHKの技術が凄いのか、それとも実は第1話では元々出ていませんでした、とかだったら笑えますが。
とはいえ、宮川一朗太は最近犯罪者の役でしか見ないな、とか「エリートヤンキー三郎」で女子高生だった倉科カナがキャリアウーマンやってる、とか今回鍵を握った和菓子店店主役の山崎努さんはあんまり変わらないなー、とか、星野真里が普通におばさんになってる、とか、いろいろ発見はありました。
ま、そういう意味では山Pは昔からあんまり変わってないか・・・。
でも、現場で接した山崎さんの感想は異なるようで。
いつまでも青春アミーゴじゃないぞ、と。
この作品は「正直」と「不動産」というあり得ない組み合わせを売りにした物語ですよね。
ですが、大家として日常的に不動産界隈の人間と付き合っていると、不動産屋のヤバさよりは、一部のヤバい入居者のほうが目につくし、管理会社の人間はパートナーという位置付けになるので、不動産屋ってヤバいよねーみたいな感覚は昔に比べると薄れてきている自分を発見しました。
まあ、本当にヤバい人は不動産業界にも長くいられないというか、いつの間にか辞めているので、最初からそんなに深く付き合わないでおいても問題ないというか。
自分も少しばかり知恵がついてきて、見るからに怪しいブローカーとは自然と距離を取れるようになってきているからなのでしょうけれども。
第2話以降も楽しくなるようです。