映画『新解釈・三國志』視聴。
三国志を2時間の映画でどこまでできるのか、というのはありますが、端折りながらも桃園の誓いから赤壁の戦いまで、要所は押さえています。
途中は、ドラクエ的な画面とかアニメとかでお茶を濁しているところはありますけれども。
「新解釈」ということですが、まあコントですね。
福田監督の「大泉さんで劉備とか面白くない?」的なアイデアだけで突っ走った感じの。
たまにはこういうバカっぽい映画も良いかな、という気はしますが、映画館で見るのはちょっとキツいかもしれません。
レビューではギャグが面白くない、というのがありましたが、正確にはギャグですらないです。
ある程度の枠の中で自由に俳優さんたちを動かしてみて、その際の大泉さんのアドリブを福田監督が楽しみたい、という感じで進んでいっているような。
そこが鼻につくという人はいるでしょう。
大泉さんがメジャーになるにつれて、こういう反応は増えていくのだろうな、という気がします。
多分に大泉洋を好意的に見ている人は、基本的には「どうでしょう」の世界観で眺めています。
「どうでしょう」の楽しみ方として、藤村さんの無茶振りに、ときにはマジ切れする様をも含めて見入る、というものがありますが、あの間合いというかあの反応を見たい、というのがあり、それに近いものを探しに他の作品も見ている、という。
それは紅白の司会でもそうだし、大河でもそう。
だから、その時代の彼を知らない人に「つまらない」と言われると、なんとなく腹が立ってしまうというか。
「いや、そうじゃないんだあれは。」と。
ただ、福田監督も出演者としての大泉さんにそこだけを求めているようなところはあって、大泉さん自身も、「SWITCH」でのインタビューで、福田作品はたまにでいい、みたいなことは言っていましたね。
そのままの自分を求められるのでその現場で成長がない、といった意味合いでの発言でした。
そういう意味では本作でも、新しい大泉洋を見られるわけではないので、そういう意味での驚きも無いですが、定番の反応を予定調和的に見られるという、ある意味吉本新喜劇です。