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堀正岳『ライフハック大全』を読む。
手にとったのは、GTDのことについてネットをぐるぐるしていたら、本書での要約を超えるほどの内容ではない、といった記述を見たためです。
要するに、GTD本自体を読む必要はなく、本書でそのエッセンスを引き出したら良いですよ、という記事でした。
もちろんそんなことを書いていたのは、本書の著者ではありませんが、どんなものだろう、と関心を持ったのでした。
本書は、Kindle Unlimitedで読めるので、ポチるのにはまったく抵抗がありませんね。
Unlimitedの登場以降、本の消費の仕方も少し変わってきています。
興味の有りそうな分野が出てきたら、そのキーワードを突っ込んで出てきたUnlimited本をまとめて「本棚」にダウンロードして、さっと読む。
そこでその界隈の全体感を把握した後に、深堀りしたいところが書かれていそうなより専門的な本を買ってみる、みたいな。
Unlimitedに入っている本は玉石混交で、Unlimitedで消費されることを目的としたKindleのみで出版されたものとかは、結構「石」のほうですが、数年前に結構売れてたよなーとかいう本が、結構見つかったりして、あるていど評価が固まっていてハズレが少ないという意味では、そういうものには「玉」が多いでしょうか。
本書もUnlimitedになったのは、少し前の本だからかな、と思ったのですが、同じ著者の最新刊の『知的生活の設計』もUnlimitedに入ってました。
とはいえそれも2018年刊なので、旧刊からUnlimitedにまわすというよりは、時間的な区切りでそちらに流すフローにしているのかな、という気もします。
著者の意向なのか出版社の意向なのか、その両方なのか、そのあたりはわかりませんが。
で、本書はGTD本を読む必要がないほど内容の詰まったものだったか、というと、実はGTDのことに触れているのはごく一部で、そもそもその代替を目指した本などではないので、その論評自体すべきでないかな、という気がしています。
Todoistのユーザーということで、GTDをどう落とし込んでいるかが書かれていたら面白かったのですが、そこまでは書かれておらず。
というのは、GTD本を読んでから、Todoistの作り込みも少し変えていっているのですが、いまいちハマっていかないんですよね。
具体的にいうと、Todoリストとプロジェクトの峻別とか、どのあたりまではタスクとサブタスクでとどめて、どこからはプロジェクトで独立させるか、とか。
まあ、もちろんそういうのは、自分で試行錯誤しながら決めていくものなのでしょうが、なにか参考になれば良いな、と思っていたのですが、そこまで深堀りはされておらず。
しかし、本書はTipsとしては様々なものがあるものの、微細にその内容を説明するというよりは、もう少し大所から語っているような感があります。
全250個もTipsがあるので、逐一細かく説明できない、ということはありますが、それらを通して著者が伝えたかったのは、それらの細かい内容というよりは、習慣によって人生を変えてやるんだ、変えられるんだ、という思想みたいなものでしょう。
著者が言いたいのは、こういう細かいTipsの積み重ねが人生を形作るのだ、という点で、この全250個は、個々のそれ自体というよりは「ひとつひとつはさほど大したことのない行動の積み上げが大事」という説明のために挙げられているに過ぎない、というか。
いや、そういうと少し悪意があるように思われてしまいますが、そうではありません。
というより全面的に賛成なのです。
事実、日々の行動でしか人生は変わらないので。
宗教でもセミナーでもオンラインサロンでも構いませんが、そういうところでなにか素晴らしいお話を聞いて躁になるくらいでは、人生は変わらないのですね。
というわけで、そこを理解させるためのTipsなので、内容が飛び飛びというか、五月雨式になっていたりするのは仕方ありません。
「本書はどこから読みはじめてもよいように、それぞれの項目に1つずつのテクニックを簡潔にまとめています」
とありますが、これも、本書を読み進めると、あー、Workflowlyでこうやって書き貯めていったんだなー、なんてこともわかります。
研究職にあって多忙な著者でも、スキマ時間を有効に使うことで、本業とは関係のない本を執筆できちゃうくらいには、習慣と行動で人生は変わりますよ、というのが分かる一冊。