久々に大家業の話。
物件の巡回中、ポンプ室の給水ポンプから漏水を発見しました。
築20年近い物件なのでポンプも寿命でしょう。
発見したときには、もう半ばは諦めております。
最近は、直結できるエリアの物件だと、ポンプが壊れた段階で基本的には直結にしちゃってます。
管がどうこうとか、水圧がどうこうとか、色々クリアしないといけないポイントはありますが、今までそれが問題になったことはないですね。
長い目で見たらそっちのほうがコストもかからないし、あとは受水槽を経ての水って、やっぱり美味しくないような気がして。
でも、この物件は直結できないエリアなので、業者さんに見てもらった結果、やはりポンプ交換で対応することに。
ここで新築時の駄目なコストカットが見つかりました。
通常、給水ポンプはポンプが2つ付いていて、交互に運転します。
真意としては、片方が死んでももう片方でカバーして、まったく動かなくなる事態が無いようになっているわけです。
でも、その物件は、それぞれのポンプからの管に、逆流を防ぐバルブがついてないので、片方が死んだらもう片方からの水が逆流してきて、すぐ全体が死ぬ仕様になっています、との設備屋さんの話。
片肺飛行とはよく言いますが、この物件の場合、片肺になったら即死、という意味のないコストカットをしていた、と。
なぜ、ポンプは2つがデフォルトなのか。
それを考えれば、削っちゃいけないところであることは、わかったはずだけどなぁ、と。
当時の施主にも施工者にも、もうコンタクトとれませんので、新築時にどういう判断が働いたのかはわかりません。
でも、やっても良いコストカットと、やっちゃ駄目なコストカット。
今回のそれはやっちゃ駄目なほうでしたね、と。
ちなみに、今回の交換を機に、バルブも付けてもらうようにお願いしたのですが、それでも上乗せは10万もしない。
おそらくは新築時でも、その程度のコストで上水ラインが即死するリスクを軽減できたはずです。
もちろん、その値段も適正だったかどうかは別途議論の余地はあるのかもしれませんが、私はあんまり業者さんに発注する際に、値段だけを叩くようなことはしません。
地域でお金をまわすためには、こういうところからデフレマインドを払拭させないと、とも思うので。
まあ、そんなこと言いつつも、以前、直結工事で、管理会社経由の見積もりがあまりにひどい数字だったので、相見積もりを取って他の業者さんにお願いしたことはあります。
数百万の差が出たので、そこは転びました。
理想と現実は違う。
というか、今から振り返ると、当時はサラリーマン大家さんだったし、舐められてたんでしょうね。
その後、撤回してくれと、管理会社の担当と出入り業者の営業とが、そろって当時の私の勤務先まで押しかけて来ましたけど。
それでも、向こうも最初の見積もりから大幅には下げた数字は出せないですからね。
出したら、最初の数字は一体何だったんだ、となりますし。
覆すには至りませんでした。
相場を見るためだけの相見積もりは嫌がられます。
かといって、例えば管理会社経由での見積もりに常に言い値で応じていると、組みやすいオーナーということで、上振れした数字が上がってくるでしょう。
少しずつ、知識を蓄えながら牽制しつつ、最初から適正な価格で持ってきてもらえるようなオーナーでありたいものです。