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Amazonプライム・ビデオで映画『おろかもの』視聴。
親を亡くした兄妹の物語、というととてつもなく誤解を招きそうです。
親をなくして9年経った時点でのお話なので、悲壮感があるわけではありません。
サラリーマンの兄と高2の妹。
兄妹二人暮らしの生活をずっと続けてきたところ、兄の結婚により兄嫁を交えた3人の生活になりつつある日々。
妹にとっては兄嫁は異物だし、そうでなくとも高2で進路のことも考えないといけない時期に差し掛かっていて、何かと精神的には落ち着かない時期。
それなのに兄は、結婚式を目前にしながら浮気を続けている。
という感じで、むしゃくしゃ感は兄にも浮気相手にも向かいがちなところ、ひょんなきっかけで、なぜかその浮気相手と仲良くなってしまう妹。
こういう場合、兄を悪者にする限りにおいては、兄嫁とも愛人ともうまく関係を築けてしまうのがポイントです。
でも、たったひとりの兄ですからね。
嫌いにはなりたくないわけです。
悩ましい。
結婚式という区切りを前に、兄は兄で妹は妹で、情と倫理観に悩まされるという展開。
兄の中途半端な真面目さと優しさもしっかり描かれているので、決定的な悪人はこの作品には出て来ません。
その中で作品を通して芯がしっかり通っているのは兄嫁ですね。
「私は、彼女が持ってないものを持っていると思うし。」
という自信。
どことなくバービーやあき竹城に似ている兄嫁さんですが、それゆえのどっしり感なのか最後まで作品にも重石というか軸を置いてくれます。
一方、愛人役の女優さんは、いかにも愛人止まりにしかならなさそうな女性をうまく演じていて、その存在感がまた素晴らしい。
すっぴんの彼女のスマホ映像が映ったときには、結婚しなかった昔の彼女を思い出し、ドキッとしました。
自分だけが知っているすっぴんの彼女っていいですよね。
うん、でもたしかに自分もあの子とは結婚は考えなかったなー、なんて。
別に都合よくしようだなんて考えていたわけではないのですが、ええ、まあ、結婚向きの彼女と彼女向きの彼女ってありますよね。
いや、これ以上書くと墓穴掘りそうなのでこれくらいで…。
ただ、作品でもそこは徹底して意識していて、兄と兄嫁との間に性的なシーンはまったくありません。
それを、兄嫁が「家庭的な女性」であるから、と言ってしまうと陳腐になりましょうか。
でも、長いこと両親のいない生活を送ってきた兄が求めたのが「家庭」で、それを求めた結果としての結婚であるならば、そこに性は必要ないのですね。
(だからそれを外部に求める…。)
一応、予言的に言うと、妹は将来、兄のような男と結婚するし、そのときは兄嫁みたいな妻として幸せな家庭を支えていきそうです。
みんな幸せになって欲しい。
あと、ラストについては、ああいう形でなくても、『あの子は貴族』での披露宴でのサプライズ的なものでも良かったのでは、なんて思いました。
U-NEXTでも観られます。